引っ越し後が寂しい…知り合いのいない街で、寂しさの中身の分け方と最初の1か月の過ごし方

引っ越し後が寂しいとき

段ボールをいくつか開けたところで、手が止まる。カーテンのまだない窓から、知らない街の明かりが見える。荷物を運び終えた昼間は、新しい部屋にわくわくしていたはずなのに、夜になると急に心細くなる。

引っ越しのあとの寂しさは、なくした人や場所の数だけ形が違います。会えなくなった人が恋しいのか、通い慣れた店や道が恋しいのか、前の場所での自分の役割が恋しいのか。何が恋しいのかが分かると、新しい街で最初にすることが決まります。

目次

引っ越したあとに寂しくなるのは、おかしいこと?

引っ越しでは、毎日の音も歩く道も、寄る店も顔を合わせる人も、一度に入れ替わります。朝の窓の外の音も、駅までの角の曲がり方も、昨日までとは違う。体はまだ前の暮らしの順番で動こうとするので、どこか落ち着きません。寂しくなるのは、前の暮らしに馴染んでいたということでもあります。

転職や上京のように、自分で決めて選んだ引っ越しでも、寂しさは来ます。「選んだのだから寂しがってはいけない」と思わなくていい。選んだことと、離れたものが恋しいことは、両方同時に本当です。

いつまで続くかは、何が恋しいのか、新しい街で人と話す機会がどのくらいあるかで変わります。「いつまでに慣れなきゃ」と自分を急かすより、いまの寂しさの中身を見るほうが手がかりになります。

寂しさの中身を、引っ越した理由で分ける

新しい部屋の床に置かれた段ボールと観葉植物

同じ「引っ越して寂しい」でも、なぜ引っ越したかで、恋しいものは違ってきます。いまの自分にいちばん近いものを探します。

  • 転勤・転職で知らない街へ職場の人しか知らない。職場の外に、通う場所を1つ決める
  • 上京・地元を離れた気軽に帰れる距離ではない。地元の人と連絡する曜日を決める
  • 同棲解消・別れて引っ越した同棲解消が寂しいときにの「一人に戻った最初の1か月」へ
  • 初めての一人暮らし家族と連絡する頻度を決める。食事が面倒なら自炊がめんどくさいときへ
  • 住み慣れた街の中で前の部屋で続けていた習慣を1つ持ってくる

転勤や転職の引っ越しでは、職場が唯一の居場所になりがちです。平日は仕事で人と話していても、週末に誰とも口をきかないまま終わる。仕事の顔ではない自分でいられる場所が、まだどこにもない状態です。

上京や、地元を離れた引っ越しは、距離の寂しさです。電車で1時間なら週末に会いに行けても、新幹線や飛行機の距離だと、そうはいきません。地元の言葉で話せる相手と、決まった曜日に連絡を取ると、離れていてもつながりが途切れにくくなります。

実家を出たばかりなら、寂しさの中には「誰かがいる家」の気配も混ざっています。帰ったときに台所から聞こえていた音、テレビの前の家族の声。それがない部屋で、家事も食事の支度も自分ひとりで回すのは、思った以上に気力を使います。

住み慣れた街の中での引っ越しは、見落とされやすい寂しさです。知り合いも、行きつけの店もそのまま。なのに、部屋の間取りや窓からの光が違うだけで、自分の居場所ではない気がする。窓辺で飲むコーヒーや、寝る前に聞くラジオ。前の部屋での習慣を新しい部屋でも続けると、部屋が少しずつ自分のものになっていきます。

2つ当てはまるなら、人の寂しさのほうから手をつけます。場所の寂しさは、暮らしているうちに道や店を覚えることで薄れていきやすいからです。

最初の1か月は、「顔見知り」を一人つくれば十分

知り合いのいない街に来ると、「早く友達を作らなきゃ」と焦りがちです。けれど引っ越してすぐの時期は、荷ほどきも手続きも残っていて、新しい人間関係にまで力が回りません。最初の1か月は、友達ではなく、顔見知りを一人つくれれば十分です。

やり方は、同じ場所に、同じ曜日の同じ時間帯に通うことです。土曜の朝のパン屋、仕事帰りに寄るカフェ、いつものスーパー。毎回同じレジに並ぶ、同じ席に座る。

三回目、四回目あたりで、店の人が「いつもありがとうございます」と言ってくれることがあります。名前も知らない相手でも、この街に自分を覚えている人がいる、という感覚は思いのほか心強いものです。

話しかけるのが苦手なら、会釈とお礼だけで足ります。会話をしようとしなくても、同じ顔を何度も見せていれば、相手のほうが覚えてくれます。

自治体の図書館や公民館、地域の催しの案内にも、一度目を通しておきます。広報紙や自治体のサイトには、講座や季節の行事が載っていることがあります。すぐに参加しなくても、知っておくだけで行き先の候補が増えます。

働いている人は、職場とは別に、通う場所を一つ持っておきます。職場と部屋の往復だけだと、仕事で何かあった日に、気持ちの逃げ場がありません。新しい職場でまだ話せる人がいないこと自体がつらいなら、職場に気が合う人がいないときが近い内容です。仲良くならなくても回る関係のつくり方を書いています。

前の街の人と、つながりを続ける一言

引っ越すと、前の街の人とのやりとりは、放っておくと少しずつ減っていきます。相手が冷たくなったのではなく、毎日顔を合わせる理由がなくなっただけ。こちらから短い一言を送るきっかけを持っておくと、つながりが続きやすくなります。

引っ越したことを伝えるとき。

「先週、引っ越しが終わったよ。落ち着いたら新しい街のこと、また話すね」

近況を短く送るとき。

「引っ越して1か月たったよ。駅前においしいパン屋さんを見つけた」

相手の近況を聞くとき。

「そっちは最近どう? 〇〇のお店、まだやってる?」

次に会う約束をするとき。

「年末にそっちに帰るから、どこかでお茶しない?」

どれも、相手が返しやすいように、質問は1つまでにしています。長文になると、受け取った側は「ちゃんと返さなきゃ」と構えてしまい、かえって返事が遅れます。

前の街の友達が集まっている写真を SNS で見て、自分だけそこにいないことが寂しくなる夜もあります。そういう時期は、SNS を見る時間をしばらく減らしてかまいません。見るのをやめても、つながりが切れるわけではありません。

新しい街の自分と前の街の誰かを比べて落ち込むなら、人と比べてしまう30代へに比べる気持ちとの付き合い方があります。

前の家に戻りたいと思ったら

日曜の夕方、新しい部屋で一人でいると、ふと「前の家に戻りたい」と思うことがあります。その気持ちを、甘えや失敗だと打ち消さなくて大丈夫です。

戻りたいと思ったときは、何が恋しいのかを考えます。会えなくなった人なのか、通い慣れた店や景色なのか、前の場所での自分の役割なのか。前の職場で頼られていた自分、友人の集まりでいつも幹事をしていた自分、のように。

戻りたい先が実家で、帰ることを考え始めているなら、一人暮らしの夜が寂しいときにのよくある質問「実家に帰りたくなります。戻るのは負け?」が近い内容です。

寂しさが長引くとき

寂しさが夜になると強くなるなら、一人暮らしの夜が寂しいときにの「その寂しさは、どの種類?」の章へ。帰ってから寝るまでの過ごし方を見ていけます。部屋が静かすぎるのか、話す相手がいないのかで、夜にできることが変わります。

新しい部屋で、夜中に何度も目が覚める。休みの日も起き上がる気になれず、気分が沈んだままの日が続いている。そういうときは、過ごし方を工夫するより先に、ひとりで抱えずに誰かに話すことを考えます。夜中でもつながる相談窓口は、一人暮らしの夜が寂しいときにの最後の章にまとめてあります。 体の不調が気になるときは、医療機関に相談する道もあります。

どこに相談すればいいか分からないときは、誰に相談すればいいかわからない時の相談先で、窓口ごとの違いを比べられます。

よくある質問

引っ越してから、休日に誰とも話さずに終わります
前の職場の人に連絡するのは迷惑?

短い近況報告で、返事を求めない形なら、相手の負担にはなりにくいはずです。「元気でやっています。落ち着いたらまたお茶でも」くらいの一言にしておけば、相手も自分のペースで返せます。

新しい部屋が好きになれません

一度に整えようとせず、自分のものを少しずつ増やしていけば足ります。前の部屋で気に入っていたマグカップや写真を目につく場所に置くだけでも、部屋の感じ方は変わってきます。

引っ越しを後悔しています

後悔と寂しさは、似ているようで別のものです。引っ越しを決めたときの理由を、一度紙に書き出してみます。いま揺れているのが「決めたこと」なのか、「離れたものが恋しい気持ち」なのかが見えてきます。


この街で、まだ名前を知っている店は一つもないかもしれません。今週は、気になった店に二度行ってみる。二度目に入るとき、その店はもう、少しだけ知っている場所になっています。

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この記事を書いた人

asqme 編集部。30代前半の会社員「wachi」が、同じ世代の読者の目線で記事をチェックしています。恋愛・結婚・仕事・人間関係の悩みを、状況の分け方とそのまま使える文例・手順で整理しています。占い・婚活・キャリア相談などのサービスは、使う前に確かめたい点とあわせて紹介しています。

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