日曜の17時。部屋が少し暗くなってきて、電気をつけようと立ち上がったとき、今日一日なにをしたのか思い出せない。土曜は昼過ぎに起きて、動画を見ているうちに夜になった。日曜も似たような流れで、気づけば明日の朝の電車のことを考えている。
休日がなんとなく終わるのは、過ごし方を知らないからとは限りません。平日の疲れと、休日にやることの配分が決まっていないことがよくあります。配分を先に決めると、何をするかは自然に絞れてきます。休日の時間の分け方と、疲れ具合で使い分ける土日の型をまとめました。
30代の一人暮らしの休日が、なんとなく過ぎてしまうのは
30代は、仕事で任される範囲が広がりやすい時期です。平日の5日間で気力を使い切って、土曜の朝は目覚ましを止めたまま昼になる。その時点で、休日の半分近くは平日の疲れを戻す時間に回っています。
誘う相手、誘ってくれる相手が少しずつ減っていくのも、この年代によくあることです。学生時代の友人は結婚や子育てで週末が埋まり、前のように「明日ひま?」とは送りにくくなった。
一人暮らしだと、家族に「どこか行こうか」と声をかけられることもありません。予定を決める人が自分しかいないので、決めないまま朝が来れば、その日は何もない一日になります。
もう一つは、人の休日が見えすぎることです。日曜の昼、ベッドの上でSNSを開く。誰かの旅先の海や、友人同士のブランチの写真が流れてくる。自分の部屋を見回して、休日が空っぽに思えてくる。けれど画面に出てくるのは、誰かの休日のいちばん明るい場面だけです。
比べて落ち込むことが多いなら、人と比べてしまう30代への「SNSで比べてしまうときの距離の取り方」が近い内容です。何もしなかった休日に残る罪悪感の扱い方は、休日に何もしない罪悪感があるときに書いています。ここでは、次の休日に「何を、どれくらいするか」の決め方に絞ります。
休日の時間を、休む・片付ける・楽しむに分ける

休日を「何をして過ごすか」から考えると、やりたいことの候補ばかり増えて、結局どれにも手がつかないことがあります。
たとえば土曜の朝、洗濯機を回して掃除機をかける。買い出しから戻ったら、もう15時。楽しむつもりだった時間が、片付けで埋まっている。そうならないように、休日の時間を3種類に分けます。
| 時間 | 過ごし方の例 | 足りないサイン | 忙しい週の目安 |
|---|---|---|---|
| 休む | 寝る、横になる、何もしない | 月曜の朝からだるい | 土曜の半日 |
| 片付ける | 洗濯、掃除、買い出し、用事 | 平日の夜に用事が回ってくる | 1〜2つに絞る |
| 楽しむ | 好きなこと、外出、人と会う | 何をしたか覚えていない | 小さいものを1つ |
3種類ぜんぶを毎週満たそうとしなくてかまいません。今週いちばん足りないのはどれかを1つだけ決めて、その時間を先に確保します。 残業が続いた週なら「休む」。部屋が散らかって落ち着かないなら「片付ける」。ここ何週か、誰とも話さず家にいたなら「楽しむ」。
休むのも、予定の一つです。土曜の午前を「休む」と決めて寝ていたなら、それは寝過ごしたのではなく、予定どおりに過ごした時間です。同じ半日でも、決めてから過ごすと、日曜の夕方にふり返ったときの感じ方が変わってきます。
片付ける時間がいつも休日の大半を占めてしまうなら、その時間そのものを減らす方法もあります。掃除を家事代行に頼む、食事の宅配で買い出しと料理の回数を減らす、といった形です。平日の食事づくりがそもそも重いなら、一人暮らしの自炊がめんどくさいときにで、面倒の中身の分け方を書いています。
土日の「型」を、ふたつ持っておく
金曜の夜になってから「明日どうしよう」と考えると、決めるだけで疲れてしまいます。疲れた頭では「起きてから決めよう」となり、起きたら昼。それを繰り返さないために、土日の型を前もって2種類用意しておきます。
回復の週
平日が忙しかった週、木曜あたりで疲れがたまっている週の型です。
- 土曜は休む日。起きる時間も決めず、家で過ごす
- 日曜の午後に、1つだけ外に出る(近所の散歩・買い物・カフェ)
- 片付けは、洗濯など1つだけにする
土曜を丸ごと休みに使っても、日曜に一度だけ外へ出ておく。それだけで、二日とも部屋にいた週とは週末の終わり方が違う、という人もいます。外に出る用事は、帰ってくる時間が読めるくらいの小さなもので足ります。
出かける週
平日に少し余力が残っている週の型です。
- 土曜の午前に、予定を1つ入れる(講座・映画・友人とのお茶など)
- 土曜の午後は、予定の流れで自由に過ごす
- 日曜は家で片付けと、翌週の準備にあてる
午前に予定を置くのは、昼まで寝てしまう流れを、予定のほうで止めるためです。出かけるのを土曜に寄せておけば、日曜は家で整える時間に回せます。
金曜の夜は、今週がどちらの型かだけを決めます。 出かける週になりそうなら、水曜の夜あたりに講座や上映の時間を1つ調べておく。金曜は疲れ具合を見て、出かけるか、回復の週に切り替えるかを決めるだけです。週の前半に予定を決めておく考え方は、一人暮らしの夜が寂しいときにの「平日と週末の小さな準備」でも触れています。
出かける週の予定に、習い事や学び直しを入れたいと考えているなら、30代の学び直しは遅い?で、前に続かなかった人がもう一度始めるときの決め方を書いています。
一人で出かけやすい場所の探し方
土曜の午後、とりあえず駅前まで出たものの、行き先が決まらないまま1時間歩いて帰ってきた。一人で出かけるときにつまずくのは、「どこへ行くか」より別のところです。「着いてから何をするか」と「いつ帰るか」が決まっていないこと。行き先は、場所の名前からではなく、次の条件から探すと絞りやすくなります。
一人客が多い場所は、一人でいることが目立ちません。映画館や図書館なら周りを気にせずにいられるので、慣れないうちの行き先に向いています。
時間が決まっている場所は、迷う時間を減らしてくれます。映画の上映、講座の開始と終了、美術館の開館時間。始まりと終わりが先に決まっていれば、「もう帰っていいのかな」と考えずに済みます。
目的がはっきりしている場所は、着いてから悩みません。銭湯なら湯に入って帰る。公園なら、ベンチで本を一冊読んで帰る。やることが1つに決まっていれば、出かける前の腰も上がりやすくなります。
3つすべてでなく、2つ当てはまれば十分です。人と言葉を交わす機会もほしいなら、自治体の講座や図書館の催しが合うかもしれません。市区町村の広報紙やウェブサイトに日時と内容が載っていることが多いので、出かける週の候補探しに一度のぞいておきます。
日曜の夕方が、さびしくなるとき
日曜の夕方に気分が沈む人は、少なくありません。西日がカーテンの端から差し込んで、テレビの向こうで週末の番組が終わりに近づく。明日の会議のことが頭に浮かんで、残りの数時間が急に短く感じられる。休日の出来がよくても悪くても、この時間帯だけは沈む、ということもあります。
そういう人は、夕方の手当てを先に置いておきます。
- 夕方に小さな予定を置く(夕方の散歩、銭湯、毎週見ている番組)
- 翌朝の準備は、昼のうちに済ませる(着る服・かばんの中身・朝ごはん)
- 夕飯に何を食べるかを、昼のうちに決めておく
夕方に「やること」が1つあると、沈みはじめた気分から少し目をそらせます。翌朝の準備を昼に済ませておけば、夕方に明日のことを考える時間そのものが短くなります。
夜になっても寂しさが続く日は、一人暮らしの夜が寂しいときにで、寂しさの種類ごとに過ごし方を分けて書いています。
誰かと過ごしたくなったら
友人とのLINEをさかのぼると、最後のやりとりが半年前だった。久しぶりに声をかけたいけれど、相手の週末が埋まっていそうで、送る手が止まる。
そういうときは、日時と時間の長さを先に決めて誘うと、相手も返事をしやすくなります。「いつか会おうよ」よりも、行けるかどうかをすぐ判断できるからです。
来週の土曜、1時間だけお茶しない? 14時ごろ、駅のあたりでどうかな
1時間と区切っておくと、子どもがいる友人や、予定の多い友人でも都合をつけやすくなります。断られても、それは誘い方の問題とは限りません。断られたときや、自分が断ったあとの気持ちは、誘いを断ったあと、罪悪感が消えないときにで書いています。
引っ越したばかりで、誘える相手が近くにまだいないなら、引っ越し後が寂しいときに最初の1か月の過ごし方があります。
よくある質問
金曜の帰りの電車で、今週は回復の週か、出かける週か。それだけ決めておけば、土曜の朝は少し違う始まり方になります。







