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帰りの電車で、会議で言いそびれた一言を何度も思い返す。断った誘いのこと、別れた相手に最後に言った言葉、言い返せなかった一言。何かあるたびに「私がもっとちゃんとしていれば」と、頭の中で同じ場面をくり返してしまう。人には「気にしすぎ」と言われても、止め方が分からない。
責める気持ちを、無理に消さなくてかまいません。責めている中身を書き出して分けると、自分の範囲は思っていたより小さいことがあります。その小さい範囲から、次に変えることを1つだけ選ぶ。ここでは、分け方の表と言葉の置き換え方、夜に考えが回るときの区切り方をまとめています。
自分を責めてしまうのは、おかしなことじゃない
うまくいかなかった場面を何度も振り返るのは、同じことをくり返したくない気持ちから来ることもあります。思い返すのは、本来は次に備えるための動きです。
ただ、振り返ることと、責めることは別のものです。振り返りのあとには「次はこうする」が残ります。責めることのあとには「私はだめだ」だけが残り、次に何をすればいいかは見えてきません。
「責めてしまうのは性格だから」と片づけなくてかまいません。同じ人でも、仕事・恋人・家族と、場面によって強く出たり出なかったりします。場面が違えば、手の打ち方も変わります。
「私が悪い」を、4つに分けて書き出す

「私が悪い」という考えは、ひとかたまりのままだと、起きたことの全部を自分が背負っているように感じられます。中身を分けて書くと、自分が背負う分と、そうでない分が見えてきます。例は、仕事の報告が遅れた場面です。
| 分ける箱 | 書くこと | 例 |
|---|---|---|
| 起きたこと | 事実だけ。評価は入れない | 金曜に出す報告が月曜になった |
| 自分の範囲 | したこと、しなかったこと | 締め切りを手帳に書かなかった |
| 相手や状況の範囲 | 時間、人手、相手の判断、偶然 | 同じ週に別の依頼が2件重なった |
| 次に変えること | 自分の範囲から1つだけ | 依頼はその場で手帳に書く |
相手や状況の範囲に入ったものは、自分が背負わなくていいものです。 「次に変えること」が1行書けたら、その件はいったん閉じてかまいません。
書いているうちに迷いやすいところがあります。
「起きたこと」に「私がだらしないせいで」と書きたくなったら、それは事実ではなく評価です。評価は外して、カレンダーに残るような事実だけを書きます。
「自分の範囲」は、責める言葉ではなく行動で書きます。「注意力が足りない」ではなく「確認しなかった」。行動で書くと、次に変えることにつなげやすくなります。
「相手や状況の範囲」に入れていいか迷ったら、自分一人で決められたことかどうかを考えます。依頼が重なった、相手がその日に機嫌が悪かった、電車が遅れた。自分では選べなかったものは、こちらの箱に入れます。
「次に変えること」は、1つで足ります。いくつも書くと、そのリストがまた自分を責める材料になることがあります。
紙でも、スマホのメモでもかまいません。紙なら、ノートに縦の線を3本引いて4つに区切るだけで書けます。
場面ごとに、次に読む記事
表の書き方は同じでも、場面によって「次に変えること」の選び方は違います。いまの場面に近いものがあれば、続きはそれぞれの記事で。
- 仕事のミスが頭から離れない仕事のミスを引きずってしまうときに
- 断った自分を責めてしまう誘いを断ったあと、罪悪感が消えないときに
- 別れを自分のせいだと思う失恋して何もしたくないときに
- 何もしなかった休日を責める休日に何もしないと罪悪感があるときに
- 先回りして心配してしまう取り越し苦労をやめたい人へ
子育てのことで自分を責めてしまう人には、お住まいの市区町村に子育ての相談窓口があります。この記事では深く扱わないので、市区町村のページで探してみてください。

自分にかける言葉を、友人に言うならどう言うかに置き換える
同じことを、仲のいい友人がしたとします。報告が遅れた、誘いを断った、別れ際にきつい言い方をした。その友人に「なんでこんなこともできないの」とは、たぶん言わないはずです。
友人にかけるはずの言葉を、自分にも使ってみる。それが置き換えの考え方です。責める言葉を消すのではなく、横にもう1つ、別の言い方を書き足します。
「なんでこんなこともできないの」→「急いでいて、確認の順番が抜けた。次は1つ足す」
「また迷惑をかけた」→「迷惑をかけた分は謝った。あとは次の段取りを決める」
「私が断ったから、嫌われた」→「断ったのは予定があったから。相手がどう思うかは、相手が決める」
「あのとき別の言い方をしていれば」→「あのときの私は、あのとき分かっていたことで選んだ」
置き換えるときは、友人に話すときと同じことに気をつけます。「いつも」「また」をできるだけ外して、その一回の話にする。人柄ではなく、したことについて言う。最後に、次にすることを短く添える。この3つがそろうと、置き換えた言葉が表の「次に変えること」にもつながります。
置き換えた言葉を、すぐに信じられなくてもかまいません。表の横に書いておくだけで足ります。読み返したときに、責める言葉とは別の見方が1行残っている。それだけでも、書く前とは違います。
夜、責める考えが止まらないとき
夜は、昼のうちは流せていたことが急に大きく感じられて、同じところを考えが回りやすい人もいます。
ベッドに入ってから責める考えが始まったら、その日の分を紙に書いて閉じます。4つに分けきれなくても、「起きたこと」の1行だけで足ります。続きは、翌日の昼休みなど決めた時間に回します。考える時間の決め方は、取り越し苦労をやめたい人への「考える時間を決めて、それ以外は手放す」の章にあります。
眠る前に、スマホで同じことを何度も調べ続けないようにします。「自分のせい」「嫌われた」といった言葉で検索して読むほど、責める材料が増えていくことがあります。調べたいことは紙の端にメモして、昼に回します。
責める気持ちが続く、眠れないときは
何週間も、責める考えが頭から離れない。眠れない、食べられない日が続く。仕事や家事が手につかない。そういうときは、考え方の工夫より先に、休むことと誰かに相談することを考えます。
体や気分の不調が続くときは、医療機関に相談してください。かかりつけ医がいれば、そこからでもかまいません。
働いている人なら、厚生労働省の「こころの耳」に相談窓口があります。電話相談のページによると、番号は 0120-565-455(フリーダイヤル)。受付は月曜〜金曜の17時〜22時、土日の10時〜16時で、祝日・振替休日・年末年始は休みです。非通知の電話は受け付けていないので、非通知設定なら番号の前に「186」を付けてかけます。
電話が苦手なら、SNSで相談できる窓口もあります。平日は17時〜22時(受付は21時30分まで)、土日は10時〜16時(受付は15時30分まで)です。受付時間は変わることがあるので、連絡する前にページで確かめておくと安心です(2026年10月時点)。
消えてしまいたい、自分を傷つけたいと思うほどつらいときは、#いのちSOS に電話できます。 番号は 0120-061-338(無料)で、毎日24時間受け付けています。ほかの電話やSNS・チャットの窓口は、厚生労働省の「まもろうよ こころ」にまとめられています。身の危険が迫っているときは、110番か119番に連絡してください。
窓口ごとの違いを比べたいときは、誰に相談すればいいかわからない時の相談先にまとめています。
誰かと一緒に整理したいとき
4つに分ける作業は、一人でやると、いつの間にか「自分の範囲」に何でも書き込んでしまう人もいます。人に話しながらだと、「それは状況のほうじゃない?」と言ってもらえて、分けやすくなることもあります。
話す相手は、友人や家族でもかまいません。ただ、打ち明けても「気にしすぎだよ」の一言で話が終わってしまうこともあります。そういうときは、話を聞くことを仕事にしている人に話す方法もあります。
公的な窓口・医療機関・有料のカウンセリングの違いは、オンラインカウンセリングを初めて使う前ににまとめています。
オンラインカウンセリング「Kimochi」責めてしまう考えを、話しながら整理したいときは
公認心理師にオンラインで話を聞いてもらう、有料のサービスもあります。Kimochiは月額制で、いちばん軽いプランは月1回30分のビデオ相談・税込4,840円(初月は割引あり)。自動更新で、このプランは最低4か月の登録が必要です。料金と解約の条件を公式で確かめてから申し込んでください(2026年10月時点)。医療機関の代わりではないので、眠れない・食べられない日が続くときは、医療機関や公的な窓口に相談してください。
よくある質問
今日の分は、表の「次に変えること」を1行書いたら、ノートを閉じて終わりにしましょう。







