友人の結婚式から帰った週末、母から「あなたはどうなの」とLINEが届く。電話に出れば「いい人いないの」。お正月に帰れば、親戚の前で「まだ一人なの」。悪気がないのは分かっていても、通知を見るだけで身構えてしまう。
親を説得しなくても大丈夫です。自分の今の立場を一言にしておき、聞かれるたびに同じように返す。それだけで、話は短く終わりやすくなります。急かされ方の分け方と、立場ごとの返し方の文例、お見合いや結婚相談所を勧められたときの考え方をまとめました。
親に結婚を急かされて、しんどくなるのは
「心配だから言っている」。親の側からすれば、それが本音のことも多いはずです。それでも何度も言われると、言葉の中身より「まだできていない」と責められている感覚が残ります。一度なら聞き流せる一言も、電話や帰省のたびに重なると、しんどさになります。
親がどう思うかと、自分がどうしたいかは、別々に置いておけます。親の期待に応えられていないと感じても、自分の選び方が間違っていることにはなりません。
親がなぜそこまで気にするのか、知りたくなることもあります。けれど理由は親ごとに違い、聞いてもはっきりしないことが多いものです。理由を突き止めるより、どう返すかを決めるほうが、次の電話は楽になります。
急かされ方を分ける

「急かされる」にも、いろいろな場面があります。いちばん近いものを探すと、返し方の向きが決まります。
- 帰省のたびに聞かれる帰った最初の日に一度だけ答え、あとは「この前話したとおり」で済ませる
- 電話・LINEのたびに聞かれる決まった一言で返して、話題を変える
- お見合いや相談所を勧められる会うか、入るかは自分で決める。後半の章で扱う
- きょうだいや同級生と比べられる比べる言葉には答えず、自分の話に戻す
- 「孫の顔が見たい」と言われる答えなくていい。「そうなんだね」と受けて聞き流す
帰省そのものがつらいなら実家に帰りたくないときへ。比べられて落ち込むなら人と比べてしまう30代へが近い内容です。
いくつか重なることもあります。電話でも帰省でも聞かれるなら、どちらにも同じ一言を使えば、迷う回数が減ります。
返す前に、自分の今の立場を一言にしておく
返し方に困るのは、自分の中で「今どうしたいのか」が言葉になっていないからのこともあります。親に説明する前に、自分の中だけで決めておく。立場は、たとえば次の4つです。
- 考え中: するかどうか、いつするかをまだ決めていない。それをそのまま立場にしていい
- 今はしない(しないつもり): 今の暮らしを続けたい、結婚はしないと決めている。理由を説明できなくても十分
- したいけど相手がいない: 気持ちはあるが、今は付き合っている人がいない。探している最中も含む
- 相手はいるけどまだ言わない: 付き合っている人はいるが、親に話す段階ではないと思っている
どれにも決めきれないなら「考え中」で構いません。結婚したいかどうかそのものに迷っているなら、結婚したいかわからない女性へで、その迷いを扱っています。
立場は来年には変わっているかもしれません。変わったら、そのときの立場で返せば足ります。決めた立場を、親に全部説明する必要もありません。
立場ごとの返し方の文例
文例は、そのまま使っても、自分の言い方に直してもかまいません。共通しているのは三つ。短いこと、嘘を含まないこと、話を広げないことです。
考え中のときは、考えていること自体を伝えれば十分です。電話でいつもの話題になったら、こう返せます。
「今は自分のペースで考えてる途中なんだ。答えが出たら、こっちから話すから」
今はしないと決めているときは、はっきり、でも短く。何度も同じやりとりが続いているなら、区切りをつける一言を添えます。
「私は今、結婚するつもりはないんだ。この話をするのは、今回で最後にしたいな」
言ったあとに長い説明を足すと、反論のきっかけを渡すことになります。伝えたら、そこで止めて大丈夫です。
したいけれど相手がいないときは、探していることだけを伝えると、親も聞きたいことを一応聞けた形になります。
「探してはいるよ。何か進んだら、ちゃんと話すね」
探すこと自体に疲れてきているなら、婚活に疲れたときにで、休み方や続け方の決め直しを書いています。
相手はいるけれど、まだ言いたくないとき。「いない」と嘘をつかずに、保留する言い方があります。
「話せるときが来たら、ちゃんと紹介するよ。今はまだ、そっとしておいてほしいな」
「いるの?」と重ねて聞かれても、「今はそれ以上は言わないでおくね」と返せば十分です。
どの立場でも、返したあとは話題を変えると、同じ話に戻りにくくなります。
「それより、お父さんの最近の調子はどう?」
何度言っても、同じことを聞かれるかもしれません。そのときは、同じ返しを繰り返していい。毎回同じ答えが返ってくると分かれば、聞く回数が減っていくこともあります。
お見合いや結婚相談所を勧められたら
「知り合いの息子さんに会ってみない?」「相談所の資料をもらってきた」。親がここまで動き出すと、断りにくく感じます。それでも、会うかどうか、入るかどうかを決めるのは自分です。
結婚相手紹介サービス(結婚相談所など)について、国民生活センターは2017年10月に「子の未婚は親の責任?-結婚相手紹介サービスの、親への訪問や電話勧誘にご注意ください-」という注意喚起を出しています。親のもとに業者の訪問や電話勧誘があり、親が子のために契約しようとする相談が寄せられていた、という内容です。消費者へのアドバイスとして、次のような点が挙げられています。
- 契約に親が関わる場合は、まず結婚について子と十分に話し合い、サービス内容などを子とともに慎重に確認する
- 契約の内容をよく理解し、解約条件、特に中途解約のときの解約料を知っておく
- 断っているのに訪問や電話でしつこく勧誘してくる業者や、書面を渡さない業者とは契約しない
- 結婚相手紹介サービスは、成婚を約束するものではないと知っておく
- トラブルになったときは、消費生活センターに相談する
2017年の発表ですが、親が先に話を進めかけているときに、親と一緒に読める材料になります。責める言い方ではなく、確かめたいという形で伝えると、話がこじれにくくなります。
「申し込む前に、私にも内容を一緒に見せてほしい。決めるのは、それからにさせて」
親に言われたからではなく、自分でも相談所が少し気になってきた、ということもあるかもしれません。そうなったときは、結婚相談所に入るか迷うときで、決める前に確かめておくことをまとめています。
この記事では、契約や解約、お金のことの判断はしていません。親がすでに契約してしまった、勧誘が止まらないなどで困ったときは、消費者ホットライン「188」に電話してください。住んでいる地域の消費生活センターなどの窓口を案内してもらえます。相談は無料で、窓口につながった時点から通話料がかかります。
言われたあと、気持ちが沈むときは
電話を切ったあと、「やっぱり自分はだめなのかな」と考えが止まらなくなる夜もあります。
そんなときは、言われた言葉と自分の考えを、紙の左右に分けて書き出します。頭の中で二つが混ざっていたことに、書いてみて気づくことがあります。やり方は取り越し苦労をやめたい人への「頭の中の心配を、紙の上に出す」に書いています。
結婚の話に限らず、親と話すこと自体がつらい、こわいと感じることもあります。それなら返し方の工夫より先に、自分を守る距離を考えていい場面です。実家に帰りたくないときの「親との関係そのものがつらいときは」で、その考え方と相談先にふれています。
よくある質問
次に「結婚はまだ?」と聞かれたときの一言を、今日のうちにスマホのメモに入れておく。それだけで、次の通知を見たときの身構え方が、少し変わります。







