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日曜の夜、学生時代の友人から結婚の報告がLINEに届く。「おめでとう!」はすぐに打てたし、うれしい気持ちにうそもない。それなのにスマホを置いたあと、自分はどうしたいんだろう、と考えが止まらなくなる。結婚したいとは言い切れない。したくないとも言い切れない。
結婚したいかわからないのは、考えることが1つではないからです。結婚という形そのものへの気持ち、今の相手への気持ち、時期の問題、周りの声。これが混ざったまま「したいか、したくないか」に一度で答えようとすると、どこかで手が止まります。中身を分ければ、自分がどこで迷っているのかは見えてきます。答えは、急がなくていい。
「結婚したいかわからない」と迷う人は、少なくない
正月に実家へ帰ると、親戚の集まりで「いい人いないの?」と聞かれる。笑ってかわしながら、いい人がいたら結婚したいのか、自分でもはっきりしない。
国の調査を見ると、この迷いが特別なものではないことが分かります。国立社会保障・人口問題研究所の第17回出生動向基本調査(2025年6月に実施、2026年9月に結果の概要を公表)では、18〜34歳の未婚女性のうち「いずれ結婚するつもり」と答えた人は77.8%でした。前回の2021年の調査では84.3%で、そこから下がっています。「一生結婚するつもりはない」は21.5%です。
同じ調査では、結婚するつもりがあると答えた未婚女性に、もう一つ質問をしています。「ある程度の年齢までには結婚するつもり」が48.9%、「理想的な相手が見つかるまでは結婚しなくてもかまわない」が49.9%。結婚するつもりがある人の中でも、考え方はほぼ半分ずつに分かれています。
この調査の選択肢には「わからない」がありません。どちらかに丸をつけた人の中にも、迷いながら選んだ人はいたかもしれない。数字から読み取れるのは、結婚への気持ちが一つに決まっていない人は珍しくない、ということくらいです。結婚したほうがいいのか、しなくていいのか。その答えは、調査の数字には書かれていません。
もうひとつ分けておきたいのが、「いずれは」と「今すぐ」です。いずれはしてもいいと思っていても、今すぐしたいかと聞かれると答えに詰まる。これは矛盾ではありません。別々の質問に、別々の答えを持っているだけです。「結婚したいかわからない」という気持ちの中には、この二つが重なっていることがよくあります。
迷いの中身を4つに分ける

平日の夜、お風呂上がりに手帳を開いて、「結婚」とだけ書いたところでペンが止まる。何を書けばいいか分からないときは、迷いの種類から決めると書き出しやすくなります。
| 迷いの種類 | 当てはまりやすいサイン | 次に考えること |
|---|---|---|
| 結婚という形がピンとこない | 一人の暮らしに大きな不満がない。名字の変更や親戚づきあいを想像すると気が重い | 結婚で増えるもの・手放すものを書き出す。「誰かと暮らす」と「結婚する」を分けて考える |
| 今の相手と結婚したいかわからない | 結婚の話そのものは嫌じゃないのに、この人とのイメージが浮かばない | 迷いが相手に向いているのか、結婚という形に向いているのかを分ける |
| したい気はするが、今じゃない | 仕事や住む場所、やりたいことが途中。「いずれ」なら答えられる | 「今じゃない」理由を一つに絞り、いつ見直すかを決める |
| 周りに言われて考えているだけかも | 結婚報告や親の一言のあとにだけ考える。一人で過ごす休日は気にならない | 周りの声がなかったら、今も考えているかを確かめる |
当てはまるものが二つ以上あってもかまいません。そのうえで、いちばん強いものを一つだけ選びます。たとえば「形がピンとこない」と「周りに言われているだけ」の両方に心当たりがあるなら、親や友人の声を頭から外したときに残るのはどちらか。残ったほうが、いま向き合う迷いです。
表の4種類は、どれが良い・悪いというものではありません。「形がピンとこない」を選んだからといって、結婚に向いていないわけでもない。いまの自分がどこで止まっているかの目印として使います。
今の相手と結婚したいかわからないとき
付き合って3年目の記念日。相手が予約してくれた店で食事をしながら、「この人と10年後も一緒にいる?」と考えて、答えが出ないまま帰り道を歩く。
この迷いは、二つに分けられます。一つは、相手への引っかかりから来る迷い。お金の使い方が合わない。話し合いになると黙ってしまう。小さな約束が守られないことが続く。もう一つは、相手に大きな不満はないのに、結婚という形そのものにためらいがある迷いです。
見分ける手がかりの一つは、相手を別の誰かに置き換えて想像すること。理想に近い人を思い浮かべても、結婚のイメージが重いままなら、迷いは「形」のほうにあります。相手が変われば気持ちが軽くなるなら、迷いは今の相手との関係のほうにあります。
ほかの誰かと比べてしまって決めきれないなら、「もっといい人がいるかも」で迷うときに迷いの正体の分け方を書いています。寂しさから始まった関係で、気持ちが育っているのか分からないなら、寂しさで付き合った人と別れたいときのほうが近いかもしれません。
相手のほうが結婚の話を避けている、という迷いもあります。 その場合も、相手の気持ちと自分の気持ちは分けて考えます。自分がどうしたいかを先に確かめておくと、話し合うときに軸がぶれにくくなります。
自分に聞く10の問い
休みの日の午前、カフェの隅の席でノートを開く。問いを一つ読んで、思いついたことを1行だけ書く。きれいな答えでなくてかまいません。
これは診断ではなく、タイプの判定もしません。答えを書いていくと、すらすら書ける問いと、手が止まる問いが出てきます。止まったところが、迷いがいちばん濃い場所です。
- 10年後の平日の夜、どこで、誰と、何をしていたい?
- 結婚しても、これだけは手放したくないものは何?
- 一人の時間は、週にどのくらいあれば落ち着く?
- 誰かと暮らすなら、家のことはどう分けたい?
- お金のことは「自分で決めたい」「相談して決めたい」のどちらに近い?
- 体調を崩した日に、そばにいてほしい人の顔は浮かぶ?
- 子どもについて、いまの気持ちを書くとしたら?
- 親や友人が何も言わなかったら、今も結婚について考えている?
- 友人の結婚報告を聞いたとき、最初にわいた気持ちは何だった?
- 結婚しないまま5年たった自分を想像すると、どんな気持ちになる?
7番目は、産むか産まないかを決めるための問いではありません。いまの気持ちを書くだけで、「分からない」と書いてもいい。5番目のお金の問いも、金額や家計の良し悪しを考えるものではなく、決め方の好みを知るためのものです。
書き終えたら、止まった問いに印をつけて、前の章の4種類と照らし合わせます。8番と9番で止まったなら「周りの声」、2番と3番で止まったなら「形」、1番と10番で答えが揺れるなら「時期」の迷いが近いかもしれません。4番と6番で特定の誰かの顔が浮かんで手が止まるなら、迷いは「今の相手」との関係にありそうです。
答えは、1回目と2回目で変わっていい。書いたノートは捨てずにとっておきます。
「今は決めない」も、ひとつの選び方
夕方、ベランダで洗濯物を取り込みながら、まだ答えが出ていないことにふと気づく。焦る気持ちと、まあいいかという気持ちが半分ずつ。
決められないことを、先送りだと責めなくて大丈夫です。迷いの中身が分かっても、答えまで出るとは限りません。結婚への気持ちは、仕事や住む場所、まわりの人との関係が変わると一緒に動くことがあります。いま無理に出した答えより、半年後に出す答えのほうが、自分にしっくりくることもあります。
ただ、決めないなら期限は自分で置きます。期限がないと、「決めない」はいつのまにか「考えない」に変わります。そうなると、誰かに聞かれるたびに、また最初から迷い直すことになる。
決めないと決めたら、もう一度問いに答える日をカレンダーに入れる。 半年後でも、誕生日でも、年末でもかまいません。その日が来たら10の問いにもう一度答えて、前のノートと並べます。変わった答えと、変わらなかった答え。変わらなかったほうが、本音に近いことが多いものです。
年齢のことで焦りが強く、落ち着いて考えられないときは、30代で人生に焦りを感じたときの向き合い方の「30代独身の焦りは『どう暮らしたいか』から考える」の章が手がかりになります。
したい気持ちがあると分かったら
問いに答えてみて、「やっぱり誰かと暮らしたい」「結婚という形もいいと思える」と気づいた。そこで初めて、出会い方を考える段に進みます。
出会い方は一つではありません。友人や同僚の紹介、趣味の集まり、マッチングアプリ、結婚相談所。どれが正解ということはなく、合う・合わないは人によって違います。知っている人の紹介のほうが安心できる人もいれば、自分のペースで相手を探したい人もいます。
動き出す前に決めておきたいのは、使える時間とお金の上限です。週に何時間までなら出会いのために使えるか。月にいくらまでなら、払っても後悔しないか。上限を決めておくと、疲れたときに「やめる」「休む」「形を変える」を自分で選べます。上限がないまま続けると、やめどきが分からなくなります。
始めてみて疲れてしまったら、いったん休むことも選べます。 結婚相談所が気になっているなら、入会すると費用が続く契約になることが多いので、料金と解約の条件は申し込む前に公式サイトの表示で確かめておきます。
状況別、次に考えること
金曜の帰りの電車で、この記事を読みながら「私の迷いはどれだろう」と考えている。迷いの種類が分かったら、いまの状況に近いところから読み進めます。
婚活に疲れて、もうやめたいと感じている。
結婚相談所に入るかどうか、決めきれずにいる。
彼氏が、結婚の話になると話題を変える。
自分は結婚に向いていない気がする。
親に「結婚はまだ?」と急かされて、実家に帰るのが気重になっている。
今の恋人と、このまま続けるかどうか迷っている。そんなときは「もっといい人がいるかも」で迷うときへ。
頭の中だけでは整理がつかず、誰かに話して考えたい。相手の選び方は誰に相談すればいいかわからないときにまとめています。
よくある質問
答えが出なくなったら、自分に聞く10の問いのノートを開くところからもう一度。

